『ドラゴンクエスト11』の考察です。
記号論の観点から見ていきます。







ドイツ・ニュルンベルク城下町の木骨造り


全ての始まりは、2015年7月28日の、
『ドラゴンクエスト11』発表会でお披露目されたプレイ映像でした。


ドラクエ11

城壁に据え付けられた貧しい木骨造りの家々を見て、
あれっ?と思った。





この城壁にくっついた家は、神聖ローマ帝国時代のドイツで
農奴身分の人達が住んでた家では?


農奴というのは、聖職者・貴族より下の第三身分、
平民に属する小作農民の人達で、扱いは平民の中でも最も下、
帝国議会である三部会にも呼ばれません。

中世ヨーロッパで城壁と言えば、
都市である事を認められた土地にしかなく、
近隣の農村には存在しないものです。

すなわち都市と農村を峻別するものであって、
いざ戦争になれば真っ先に壊されるものですから、
聖職者や貴族ほど城壁から離れた場所に、
平民ほど城壁の近くに家を建てました。

家を建てる土地を奪われた農奴身分の人達は、
城壁に家を据え付けるしかなくなり、
人口の多いドイツの議会都市・ニュルンベルクなどを中心に、
こうした家がぽこぽこ生まれていったという訳です。


むむ…。

このプレイ映像に映っている城下町は、
なにゆえこんな差別的な時代を反映しているのか。

何か特別な意味があるのかな?

と注目をしていたのですが…。



神聖ローマ帝国と同じ国章


2016年12月17日、満を持して公開されたオープニング映像で、
その意味が明らかとなります。


双頭の鷲

んん…?

左の人に気になるものが。




双頭の鷲

ああああ!


そこのあなた!



その胸に刻まれた双頭の鳥さんは!



神聖ローマ帝国の国章じゃないですか!








これは間違いない。


城下町の街並みが映っていたデルカダール王国は、
『11』の世界の神聖国のポジションなのだ。


神聖ローマ帝国は、西ローマ帝国から政権を受け継いだ、
由緒正しきローマカトリックの国であり、
鷲の紋章もやはり、ローマから継承したもの。

東ローマの時代になって頭が2つに分かれ、
双頭の鷲の紋章が生まれています。


『11』のデルカダール王国もおそらく、
既に滅びた神聖国の権威を受け継いだ国なのでしょう。

なるほど、だから聖職者・貴族と平民を分ける
身分制度が存在すると見られる城下町だったんですね。


双頭の鷲

その後、公式HPでいくつかのスクリーンショットが公開され、
デルカダール神殿の神像の間に
双頭の鷲の像が祀られているのも確認できました。

この国を支配する神とは、いったい何なのか。
根本的な謎が隠されていそうです。



双頭の鷲のもう1つの意味


神聖ローマ帝国

双頭の鷲は、東西を支配した者の証として、
ハプスブルク家のルドルフ1世が皇位に選出される同じ頃から、
東西ヨーロッパの様々なイメージが付与されていきました。

その中の1つに、ドラゴンスレイヤー(屠竜)があります。

元々ローマ帝国はキリスト教の総本山であり、
キリスト教はサタニストの象徴である大蛇(ドラゴン)をひどく敵視しています。
そうした背景から、ローマ帝国の権威を継承する国々が、
神聖さを象徴している双頭の鷲にも、
大蛇を屠るイメージを持たせていったとされています。


グレイグ

ここから考えると、『11』の主人公が悪魔の子と呼ばれる理由も、
何となく見えてきますね。

ずばり、主人公は竜の血を引く者ではないでしょうか。


双頭の鷲を神像とする神聖国から見れば、
ドラゴンの生まれ変わりなど悪魔に等しい存在です。

神聖国 vs 悪魔 という構図が、
この画像から早くも見て取れます。



追記


この記事を書いた2時間後に発表された、
新PVからの情報です。

テンプル騎士団

デルカダール王国の近衛兵が
テンプル騎士団らしき兵装である事が確認されました。

テンプル騎士団とは、第一身分である聖職者から構成された
ローマカトリック公認の騎士修道会の事です。

正確には、後に生まれたドイツ騎士団となるでしょうか。


彼らが王の側近として仕えているという事は、
彼らのバックに居るであろう修道会が、
王国内で政治的・軍事的な権力を掌握しているのではないか?

兵装が2種類あるようですから、
顔が十字マークのやつが修道会の騎士、
そうじゃないやつが貴族騎士とも受け取れます。


いずれにせよ、これでデルカダール王国が、
信仰と深い結び付きがあるのが分かりました。

中の人が『ドラクエ11』を始めたら、
真っ先にデルカダール王国をくまなく調べようと思います。

ああ、早く街中を歩き回りたい。




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