北欧神話の観点から行ってきた
『ドラクエ11』の考察を数回に分けて総括していきます。

第1回は、ロトゼタシアとロトシリーズの繋がりを、
時系列で図解に纏めてみました。


なお、真エンディング到達までの
重大なネタバレを扱う為、ご注意下さい。




以下、ネタバレ注意↓↓↓
















今回の考察では、北米版『ドラクエ3』において、
世界樹の英語表記が、

 NES(FC)版 SNES(SFC)版
 World Tree Yggdrasil


に変更された事を重視し、
北欧神話の観点から纏めています。


なお、ロトシリーズのマップは全て、
ドラゴンクエストの世界地図(XB-LIM)様が作成されたものです。



ドラクエ11の世界(ロトゼタシア)


DQ11

『ドラクエ11』では、命の大樹に育まれる世界観が描かれており、
後述する3層構造で図解にした時、

 天上世界 … 命の大樹(大樹の神域)
 中央世界 … ロトゼタシア
 地下世界 … まだ存在しない


と表されます。


大樹の神域とロトゼタシアは虹の橋で結ばれ、
ロトゼタシアにある神の岩には、
イシの民に信仰される大地の精霊が宿っています。


天上世界にある命の大樹は、

大樹に付ける葉=個々の生命を表している
大樹は常緑であり、古い葉は落ちて新しい葉に生まれ変わる


という点において、世界樹(Yggdrasil)を中心とした
北欧神話の世界観に酷似していますね。

世界樹の葉と言えば、『ドラクエ2』以降から登場した、
死んだ仲間を蘇生するアイテムですが、
英語表記は「Yggdrasil leaf」となっており、
世界樹ユグドラシルの設定はロトシリーズが始まった頃から、
既に取り入れられている事が分かります。


虹の橋

命の大樹に関連するイベントで、
最も重要なシーンが、

【ドラクエ11】04.6つのオーブ集め~命の大樹編

こちらの記事に纏めた、
虹の橋(Bifrost)が架かるシーンです。

虹の橋ビフロストは、アースガルドの神々が
人間の世界ミッドガルドへ往来する為に架けた橋として、
北欧神話の中に描かれています。


命の大樹
ユグドラシルっぽい命の大樹が、
ビフロストっぽい虹の橋によって接続した、



というのが、ロトシリーズとの関連を
時系列に纏める上で最大のポイントとなってまして、

ビフロストは天上世界から中央世界に繋がる橋ですので、
接続先は当然ながら中央世界(Midgard)という事になります。

ミッドガルドは、北欧神話における人間の世界であり、
公式エピソード集『知られざる伝説』では、
精霊ルビスに付き従うレイアムランドの双子が、
『3』の地上世界を指して「ミッドガルド」と呼んでいる事から、


虹の橋の接続先であるロトゼタシアと、

『3』の世界(ミッドガルド)が、

聖竜が鎮座する神域から見て同一である、


という仮説が成り立ちます。



神の岩
大地の精霊ルビスは、『11』の世界では
イシの村にある神の岩に宿っている状態だと考えられ、
創造神としての活動はまだしていないようです。

従って、この時点では精霊ルビスが創った
下の世界(アレフガルド)が存在せず、


『ドラクエ11』 → 『ドラクエ3』


という時間の経過が強く示唆されます。

ロトゼタシアを包括するこの世界は、
精霊ルビスが神の岩から目覚めた後に、
神域、地上、地下の3層構造になっていくと考えれば、
ロトシリーズとの繋がりがスムーズに理解出来るはずです。



続いて、ロトシリーズの世界の変遷を見てみましょう。


ドラクエ3の世界(ミッドガルド)


DQ3

『11』の世界から続くロトシリーズの世界は、

 天上世界 … 天界
 中央世界 … ミッドガルド
 地下世界 … アレフガルド


で表されます。


世界樹
命の大樹は世界樹としてミッドガルドに根付いた、
もしくは大樹の苗木が成長して、
別の世界樹となったと考えられます。

世界樹のある大森林のすぐ近くには、
聖竜の血脈から連なるであろう竜の女王が城を構え、
その直上には神竜が治める天界があります。


精霊ルビス
また、神の岩に眠っていた精霊ルビスは、
ミッドガルドの下に地下世界アレフガルドの創造を開始しますが、
ゾーマの侵攻によってまたしても石にされてしまいます。

地下世界のその他の大陸を創る前に
精霊ルビスが活動を停止した為、
『2』の舞台となる大地の創造が途中で放り出され、
アレフガルド大陸の周囲は底なしの崖になっており、
海水が滝のように下に落ちています。


ユグドラシル

ポイントはやはり、北欧神話と同様に

天界(Zenithia)、中央世界(Midgard)、地下世界(Alefgard)

の3層構造がはっきりと描かれている事です。


堀井さんがロト3部作をSFCでリメイクする際、

世界樹の英語表記を、

 World Tree Yggdrasil

にわざわざ変更し、

本編クリア後の天界を加えて
3層構造の世界にゲームデザインされたのも、

エピソード集に収録されたミッドガルドの設定を拾い上げ、
北欧神話を基に『3』の世界を再構築したから、

だと考えられます。



ドラクエ1の世界(アレフガルド)


DQ1

『ドラクエ1』では、地上にあるギアガの大穴が閉じた事で、
地下世界アレフガルドに舞台が移ります。
『3』の世界から大きく動いたポイントは、
竜の女王の子孫が地下世界へと移り住み、
竜王としてアレフガルド大陸を支配しています。


『ビルダーズ』等の外伝作でも触れられている通り、
アレフガルドは本来なら光の象徴たるルビスが治める地なのですが、
精霊ルビスはゾーマの支配から抜け出した後、
『2』の舞台となる大陸を創造しに外海へ出ていると思われます。

闇の象徴たる竜王はルビスの留守中に、
アレフガルドを乗っ取ったと見るのが妥当でしょう。


竜王
 もしかしたら 私自身が
 闇に染まることも あるかもしれません

 もし 私が闇に堕ちてしまったら
 その時は どうか
 この剣を手に……


竜王の母・竜の女王は天の使いを名乗り、
ゼニスの城の真下に城を構えて天界の門番を務めています。

つまり竜王は、『11』の聖竜の血脈から連なる
光の存在であったはずです。

『11』の真エンディングで示唆された、
聖竜自身が闇堕ちするかも知れないというのは、
まさしく竜王の存在を指していると見てよいでしょう。

精霊ルビスが所有していたのか、
もしくは竜王が持ち込んだのかはっきりしませんが、
竜王の居城の地下にある洞窟には、
大樹の神域に奉納されたはずのロトの剣が保管されており、
これが聖竜との関係を示す証拠となってます。



ドラクエ2の世界(アレフガルドの外海)


DQ2

『ドラクエ2』では、アレフガルド大陸の外海に
ローレシア大陸などの新しい大陸が出来ています。

精霊ルビスに与えられた制作期間はたったの100年。
突貫工事でビルダーズしたのでしょうね…。


かつての竜王の城には竜王の曾孫が住んでおり、
今もなお聖竜の血脈を守っています。

また、地下世界にも世界樹が新しく植樹されてます。
ルビスが『2』の大陸を創造する際に、
大樹の苗木を分けてもらったのでしょうか。


ラーミア

この後、ルビスはラーミアに乗って、
『ドラクエ6』の世界に移動したと考えられます。

公式エピソード集には、ラーミアはルビスの乗り物とありますので、
もともとは天上の神々が世界を移動する際に
神鳥を利用していたのでしょう。

仮に『6』の世界が最初にあったとした場合、
ルビスは『11』の世界にやってきた後に
わざわざその辺の岩に宿って活動停止した事になりますから、
それもまた変な話になります。

ロトシリーズと天空シリーズは、
ルビスの存在をもってロトシリーズの方が先、
と結論を付ける事が出来ると思います。


また、ラーミアは『8』の世界へ渡っています。

天の祭壇の主である竜神王が、
竜の一族と同様に天上世界にそのルーツを持つなら、
神鳥を乗り物する事も可能でしょうね。


ロトゼタシアとロトシリーズの比較


DQ

ロトゼタシアとロトシリーズの世界を、
1枚の図に纏めるとこのように表されます。

 大樹の神域 天界
 ロトゼタシア ミッドガルド
  アレフガルド


命の大樹があった神域(天界)には、
虹の橋が無くなった事で往来が難しくなり、
代わりに竜の女王が認めた者だけが通れるようになりました。

天界は神竜が統治しており、
天上世界の神として君臨するようになりました。


大地の精霊ルビスは神の岩から目覚め、
ロトゼタシアの地下で創造神としての活動を始めています。

その間、ゾーマに作業を妨害されて納期が大幅に遅れたり、
聖竜の血を引く一族から竜王が闇堕ちし、
せっかく創った世界を乗っ取られたりします。

だいたい勇者が遣わされて知らんうちに倒されるので、
ルビスはビルダーズ作業に専念します。


アレフガルドをビルダーズした後、
ルビスは大樹の苗木を記念に植樹して、
『6』の世界へ旅立ちます。




以上が、ロトゼタシアとロトシリーズを、
時系列に従って図解で纏めた結果になります。

総括の第2回では、双頭の鷲で表された、
キリスト教と「悪魔の子」の関係を、
北欧神話がドイツから失われるに至った理由から考察します。




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